ケーススタディ
概要
- 3-4% increased margins as a result of optimized efficiency
コスト効率の最適化により、利益率が3~4%上昇
全文
背景
A社*は数十億ドル規模の収益を上げていたものの、自社のプライシングおよび関連施策の戦略立案・実行において様々な問題を抱えていました:
- 組織再編でプライシングに関して十分な経験を持たないマーケティング部がプライシングを管轄するようになっていた
- 価格戦略実行が徹底されず、営業チームにより、値引き幅に大きなばらつきが生じていた
- 一巻した取引評価プロセスが存在せず、価格承認依頼が経営陣の大きな負担となっていただけでなく、注視すべき取引を十分確認できずにいた
組織全体で統一されたプライシング施策を導入することで、効率向上とガバナンスの明確化が実現出来、課題解消につながります。また、顧客目線で見直されたシンプルな価格設定は事業全体に対し大きな価値創出の機会に繋がりました。
ベインのアプローチ
A社のプライシング課題を解決するため、ベインおよびクライアント企業のチームは4つの重要な問いに焦点を置いて取り組みました:
- 新発売・リニューアル製品の価格設定プロセス
- 自社の製品ポートフォリオの価格競争力
- 値引き幅を縮小し、平均販売価格を上昇させる方法
- 全体の労力を軽減する一方で、役割・責任・プロセスを明確化し、プライシングの意思決定のスピードと質を高める方法
上記課題解決のためにチームは下記の3つの主要施策に連携して取り組みました:
- 価格設定:高水準の調査、分析、価格設定ロジックを用いた明確なプライシングアプローチ設定
- 値引き管理: 値引きのばらつきを防止するため、価格決定プロセスの見直し
- オペレーティングモデル:効率的な意思決定を可能とする、明確なオペレーティングモデル
ベインの提言
ベインおよびA社による協働チームは、適切なプライシングの実現のために明確で実践的な提言を行いました。
- 価格設定:プライシングのベストプラクティスや価格設定ロジックおよび分析を用いて、プライシングプロセスを示した詳細な戦略定石を作成
- 値引き管理: A社の値引きプロセス改善
- 値引き幅が小さく適正な値引き率の範囲内であれば、承認なしに営業担当者が値引きを適用できるようにし、値引き額の縮小及び、効率化を図る
- 個別に評価する必要がある取引に対し、決められた論理的な方法で評価できるようにし、意思決定の質とスピードを高めた
- 専任チームが値引き幅の大きい取引を評価する確実な体制を構築
- オペレーティングモデル: A社が将来適切なプライシングを継続的に行えるよう、統合されたプライシングプロセスを確立。ベインの RAPID® 意思決定フレームワークを活用し、役割と責任を明確化し、オペレーティングモデルを改善
結果
- 価格設定:プライシングおよび値引き要請の承認意思決定プロセスを改善し、重複または類似するプライシング基準を排除したことによって、複雑性を大幅に軽減。 また、プライシング戦略の定石を新たに作成し、価格設定のケイパビリティを格段に向上させると同時に、随時更新することで市場の変化に沿った適切なプライシング実施の継続に役立てる
- 値引き管理:値引きの評価基準を刷新したことで、一貫性のある強固なプロセスを構築するとともに、経営陣によるレビュー件数を30%以上低減。営業サイドでの値引き率決定が可能となったことで効率が向上し、利益率が約3~4%上昇。数百万ドルの利益増を達成z
- オペレーティングモデル:明確な役割と責任のもとに、より迅速かつ効率的な意思決定ができる組織となったことで、適切なプライシングを継続的に実施することが可能になった。現在A社では優れたプライシングの意思決定およびその実行のための体制が整備されている
*クライアントの機密保持のため企業名を伏せてていますが、実例を紹介しています。