ケーススタディ
概要
- 6倍-ROIC(投下資本利益率)6倍
- 2倍-3年未満でEBITDA 2倍
全文
背景
ある化学製品会社*は米国に本社を置く企業で、医療機器や電子部品の機能および耐久性を向上させる化学コーティング剤を提供しています。買収当時の年間売上高はわずか約4,000万ドルであったものの、PEファームは同社とその市場規模に高い成長機会を見出して買収しました。
成長を加速するために、まずPEファームはターゲット選定の見直しについて検討しました。既存顧客における新たなビジネス開拓に重点を置くべきか、新規顧客を開拓する方が有効な手段となるのか、様々なアプローチを検討しましたが、企業価値向上の早期実現を達成するために現在と将来の成長機会を評価すべく、ベインに支援を依頼しました。
ベインのアプローチ
短期間で成長を最大化させるためには、化学製品会社は基本に立ち返る必要がありました。ベインは、企業経営陣およびPEファームと共に、化学製品会社のコア市場を明確化し、その市場規模を試算し直し、最も大きな成果が期待できるであろう隣接市場を評価しました。
キーステップ:
- 機会を特定するため、コア事業から創出できる利益について経営陣と2日間のワークショップを実施-4つの主要成長機会を特定し、この4つにプライオリティを置き成長実現のためのプロセスを関係者間で合意
- 市場調査および顧客へのインタビューを実施して、代替品の利用状況を把握し、販売サイクルとプロセスをマッピングするため、収益・利益増の可能性を評価し、カテゴリー戦略と重要アカウント戦略を作成
- 営業とマーケティングチームにヒアリングし、現在の販売プロセスを把握。マーケティング戦略とリソースの改善機会を特定。
- 中国などの新たな地域進出の機会を調査
ベインの提案
早期成長を後押しする実行可能な4つの機会に注力:
- 2つの既存市場(外科用器具とステント)でフルポテンシャルを達成
- 自動車センサー市場における売上拡大
- 電気刺激分野での新たな機会の追求
- マーケティング戦略の改善
上記4つのプライオリティを支えるために行うべき変革を提案
- 営業マネージャー、プロダクトマネージャーおよびカスタマーサービス担当者の増員や報酬制度の強化
- 機会を追跡するデータベースやアカウント状況が確認できるダッシュボードなど、売上管理の新たなツールを導入
結果
- 3年以内にEBITDA、2倍増
- 将来の成長を支える堅調な売上および強力なカスタマーサービス機能の創出
- 2年半以内に6倍を上回る投下資本利益を獲得し、IRR(内部収益率)100%超を達成して売却
*クライアントの機密保持のため企業名は伏せていますが、結果は実際の内容を使用しています。