スナップチャート
アジア太平洋地域の小売は極めて多様な市場から構成されている。予測困難なこれら市場のパターンを解き明かすため、ベインは従来の小売チャネルの規模、食料品市場の集中度およびその他の測定指標を用いて、市場成熟度を評価した。続いて、オンライン普及率や上位デジタル企業のEC市場占有率を基に、各国で生じているデジタルディスラプションの規模を特定し、成熟度に照らし合わせてマッピングした。このように市場をセグメント化した結果、アジア太平洋地域は4つのグループに分類でき、それぞれ独自の進路を辿ることが見えてきた。
ベインの分析結果から、世界中の小売業界で大規模なデジタルシフトが起こり、アジア太平洋地域はそれを凌ぐスピードで変化していることが明らかとなった。例えば、インド、ベトナムおよびインドネシアは「急速なデジタル新興国」に分類される。これらの市場は、現時点では成熟度は低く、ディスラプションも小規模だが、集中的に資金を投下してデジタル化を加速させていることから、今はまだ市場の成熟度は低いものの、近い将来中国のような同じような状況からeコマース先駆者になり、成長し続けている国に肩を並べることが予測される。その一方で、以前からデジタル面で群を抜いている韓国は、「成熟したフォロワー」(マレーシア、フィリピン、タイが合流間近のグループ)に属する他の市場にとって、今後の可能性を見いだす上で参考事例となっている。
アジア太平洋地域の小売の未来
アジア太平洋地域が世界小売業界成長の約75%を牽引