ESGレポート

日本とアジア太平洋地域における消費者のサステイナブル意識調査

日本とアジア太平洋地域における消費者のサステイナブル意識調査

約8割の日本の消費者は割高であってもサステイナビリティに配慮した商品に対する購買意欲が高い一方、情報不足により実購買には至っていない

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ESGレポート

日本とアジア太平洋地域における消費者のサステイナブル意識調査
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概要
  1. 商品を購入する際に、環境及び社会的なサステイナビリティを最も重視する日本の消費者セグメントの割合は、アジア太平洋地域・欧米に比較すると、消費者全体の5%と非常に限定的であることが明らかになった。特にアジアの新興国はサステイナビリティを優先する消費者の割合が大きい(中国は日本の5倍、タイ・インドは日本の4倍)。
  2. 日本人消費者の中ではZ世代(18-24歳)におけるサステイナビリティ志向型セグメントが9%と他世代の2倍であることが明らかに。
  3. 全世代横断でサステイナブルな商品にプレミアム(上乗せされた割増金)支払意欲を示す日本人消費者は全体の約8割も存在するが、購入意欲が実購入につながるための課題は多く、特に、「何がサステイナブルなのか」という基本的な情報がわかりにくいことが実購入を妨げている。
  4. 日本を含むアジア太平洋地域の消費者は、政府以上に企業(消費財メーカー・小売業者)が商品開発やマーケティング等を通してサステイナビリティに対する理解・購買を主導することを期待している。

サステイナビリティに対する世界の意識は急速に高まっており、その定義も環境、社会、企業ガバナンスの各方面で進化しています。企業はこのような変化が自社のビジネスやブランドに何を示唆しているか早急に見極めようとしています。

消費者のサステイナビリティに対して抱く意識を解き明かすため、ベインは2021年に欧州で実施した大規模消費者調査に続いて、アジア太平洋地域でも同様の消費者調査を実施しました。今回のレポートは、2022年1月に実施したアジア太平洋の11カ国(インド、インドネシア、オーストラリア、韓国、シンガポール、タイ、中国、日本、ベトナム、フィリピン、マレーシア)における16,000人以上の消費者を対象とした調査の分析結果です。

アジア太平洋地域の消費者は、欧米諸国と同等に環境に対する関心が高く、健康に関連するESGには欧米諸国以上に高い関心を払っています。また、9割がサステイナビリティに配慮した製品に対し、プレミアム(上乗せされた割増金)価格を支払っても購買したいと考えています。

一方、日本の消費者については下記のような特徴が見られました。

  • 約8割の日本の消費者がプレミアム価格を支払ってもサステイナブルな製品に対し購買意欲を見せていますが、実購買につなげるための課題は多く、特に「何がサステイナブルなのか」という基本的な情報がわかりにくいことが実購買を妨げています。

  • 商品を購入する際に、環境及び社会的なサステイナビリティを最優先にする日本の消費者セグメントの割合は、アジア太平洋地域・欧米に比較すると、消費者全体の5%と非常に限定的であることが明らかになりました(中国は日本の5倍、タイ・インドは日本の4倍)。

  • 日本人消費者の中ではZ世代(18-24歳)におけるサステイナビリティ志向型セグメントが9%と他世代の2倍となっています。

日本を含む世界の消費者は、企業(消費財メーカー・小売業者)が商品開発やマーケティング等を通してサステイナビリティに対する理解・購買を主導することを期待しています。日本に本社機能を持つ企業は、日本とその他地域の異なる消費者像を踏まえて商品開発・マーケティングに挑む必要があります。日本においてはサステイナブル意識及び顧客生涯価値が高いZ世代のニーズの取り込みや、「健康」に関連する要素をサステイナブル商品に組み合わせることが重要となります。また、複数の企業が連携して業界共通のサステイナビリティ指標を設立し、業界全体でサステイナブル商品の実購買につなげるといった取り組みも求められています。

 

レポートは下記よりダウンロードいただけます。

●日本とアジア太平洋地域における消費者のサステイナブル意識調査
*本 文(日本語レポート)は本ページ上部のPDFアイコンからダウンロードください 

Unpacking Asia-Pacific Consumers' New Love Affair with Sustainability(英文アジア太平洋地域消費者意識調査)

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