Press release
ベイン・アンド・カンパニーは、2022年度版「日本プライベート・エクイティレポート」を2022年5月27日に発行いたしました。
日本のプライベート・エクイティ(PE)市場は、2021年に取引額とディール数が過去最高水準を記録し、歴史的な1年となりました。取引額は2020年比160%増の約2.7兆円、ディール数も45%増の134件となり、あらゆる規模の案件で大幅な増加がみられました。投資家も市場環境の改善を追い風に、2020年の6倍となる1.8兆円のイグジットに踏み切りました。
ベイン・アンド・カンパニーのパートナーで日本市場におけるプライベート・エクイティ部門の責任者であるジム ヴェルベーテンは、次のように述べています。「日本のプライベート・エクイティ市場は、マクロ経済の逆風にもかかわらず、驚異的な成長を遂げており、以前から市場に見られる大きな需要と関心が浮き彫りになっています。より多くのファンドが日本に進出し、日本市場に対するコミットメントとビジネスチャンスについて言及していることから、この成長は今後も続くと思われます」
また、グロース・エクイティ案件が急増し、現在ではコミットされたエクイティの約40%を占めているものの、これは他の市場に比べてまだ比較的低い水準であることがわかっています。PE投資家がグロース・エクイティやインフラストラクチャーなど幅広い戦略を追求するにつれ、ディールソーシングも多様化し、官から民へのディール、企業のカーブアウト案件、スポンサー同士の取引など、あらゆるタイプのディールが市場を牽引しています。ベインは、伝統的なバイアウトファンドが、インフラ、不動産、長期保有型ファンドなど、資本コストの低いファンドから資金調達するオーナーに資産を売却できるように育成することで、価値を創造する機会があることにも言及しています。
もう一つの重要な焦点は、環境、社会、コーポレートガバナンス(ESG)であり、これはPE業界においても全世界的に重要なテーマとなっています。大多数のゼネラル・パートナー(GP)が投資先企業における温室効果ガス排出量の削減など、定量的なコミットメントを実践している中、日本のPEファンドにはまだ課題が残されています。日本のPEファンドの投資先企業は、平均的な日本企業よりも多くの温室効果ガスを排出しており、スウェーデン等の国のPEファンド投資先企業の排出量を超えています。炭素集約度も、製造業において特に高い水準であるなど、投資先企業の中にも大きなばらつきが生じています。
ベイン・アンド・カンパニーのパートナーで本レポートの共著者であるセバスチャン レイミーは、「日本のプライベート・エクイティ・セクターは、ESGへの取り組みに大きな変化をもたらそうとしており、これは非常にポジティブなことです。現在、日本のGP投資家の約9割が、特にクリーンエネルギーやクリーン生産工程を中心に、ESG課題への取り組みを強化する計画を立てています。このようなコミットメントが業界から示されたことは心強いことであり、日本はこの分野で業界を牽引していくことになる可能性があります」と述べています。
ベイン・アンド・カンパニーのパートナーで本レポートの共著者である大和 梓は次のように述べています。「日本のプライベート・エクイティ市場が、パンデミックによる不確実性を経て、上昇基調にあることは明らかです。ディール活動やソーシングの増加に加え、業界のリーダーの皆さまが市場全体に対し非常に期待をもって臨んでいるというお話をお伺いし、大変勇気づけられました。2022年以降に向けて、様々な機会がありますが、特にESG領域において、コアとなる投資テーマとディリジェンスに集中し、時代の先を行くことが大事だと考えています」
【ベイン・アンド・カンパニーについて】
ベイン・アンド・カンパニーは、未来を切り開き、変革を起こそうとしている世界のビジネス・リーダーを支援しているコンサルティングファームです。1973年の創設以来、クライアントの成功をベインの成功指標とし、世界38か国63拠点のネットワークを展開しています。クライアントが厳しい競争環境の中でも成長し続け、クライアントと共通の目標に向かって「結果」を出せるように支援しています。ベインのクライアントの株価は市場平均に対し約4倍のパフォーマンスを達成しており、私たちは持続可能で優れた結果をより早く提供するために、様々な業界や経営テーマにおける知識を統合し、外部の厳選されたデジタル企業等とも提携しながらクライアントごとにカスタマイズしたコンサルティング活動を行っています。
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